記帳代行の選び方

3つのタイプと、5つのチェックポイント

依頼先は大きく3タイプに分かれます。料金の差は「何が含まれていないか」の差です。安さだけで選ぶと、決算のときに戻ってやり直すことになります。

まず結論

選び方の要点

記帳の依頼先は「無資格の代行業者」「ツールで自社対応」「税理士事務所」の3タイプです。記帳の入力代行そのものは税理士の独占業務ではないため、どのタイプでも依頼できます。分かれ目は税務の判断が含まれるかどうか——「この支出は経費になるか」「消費税はどちらの区分か」といった判断は税理士業務にあたるため、無資格の業者は行えません。月額ではなく年間の総額で、かつ「誰が判断し、誰が責任を負うか」とあわせて比べるのが失敗しない選び方です。

3つのタイプ

 無資格の代行業者ツールで自社対応税理士事務所
やってくれること仕訳の入力入力の効率化(自分で操作)入力・確認・決算・申告・相談
税務の判断できない(税理士法2条)自分で判断含まれる
決算・申告別途、税理士へ依頼別途、税理士へ依頼一本化できる
月額の目安5,500円〜数千円(ソフト代)30,000円〜(記帳込み)
年間の総額+決算費用が加算+決算費用+自分の時間これで完結
責任の所在入力の範囲自社税理士が負う
向いている会社判断が不要な単純な取引が中心件数が少なく、担当者に余裕がある判断を伴う取引がある・人を増やしたくない

※ 特定の事業者を指したものではなく、依頼先の類型として整理したものです。金額は一般的な水準の目安です。

5つのチェックポイント

1. 税務の判断まで含まれているか

記帳をしていると、必ず判断が必要な取引が出てきます。「この支出は経費にできるか」「消費税は課税か非課税か」「これは外注費か給与か」——これらはそのまま申告の内容と、税務調査で問われる結果に直結します。税理士業務にあたるため、無資格の業者は答えられません。判断を保留したまま入力だけ進むと、決算時にまとめて確認することになります。

2. 決算・申告まで一本化できるか

記帳と決算の依頼先が分かれていると、決算のたびに引き継ぎが発生します。記帳の意図が伝わらず、確認のやり取りが増えるのはこのためです。年間の総額で比べると、一本化したほうが安く収まる場合があります。

3. いまの会計ソフトを変えずに済むか

「うちのソフトに対応していないので乗り換えてください」と言われるケースがあります。移行には費用と時間がかかり、過去データの扱いでつまずくこともあります。弥生会計・マネーフォワード・JDL・勘定奉行など、いま使っているソフトのまま対応できるかを先に確認してください。

4. 年間の総額はいくらか

月額だけでは比べられません。決算・申告の費用、年末調整、想定件数を超えた場合の追加料金まで含めて、年間でいくらになるかを聞いてください。「月額○円〜」の「〜」が何で変わるのかを明示してもらうことが大切です。

5. 責任は誰が負うか

仕訳の内容に誤りがあった場合、誰が責任を負うのか。税務調査で指摘を受けたとき、誰が対応するのか。入力だけを請ける契約では、内容の責任は依頼した側に残ります。ここは契約前に必ず確認しておくべき点です。

迷ったら、まず年間の総額を出してみてください。 月間の仕訳件数・お使いの会計ソフト・業種をうかがえば、外注した場合の概算と、経理を1名雇う場合との比較を無料でお出しします。無料相談はこちら

「外注しないほうがよい」場合もあります

取引件数が少なく、勘定科目の判断に迷いがない段階なら、クラウド会計を自分で使うほうが安く済みます。また、社内に経理のノウハウを残したい方針であれば、担当者を置く判断にも合理性があります。外注が常に正解ではありません。ご相談の際、当てはまらないと判断した場合はその旨をお伝えします。

よくある質問

選び方についてのよくある質問

無資格の記帳代行業者に頼んでも大丈夫ですか?

記帳(仕訳の入力)の代行そのものは税理士の独占業務ではないため、依頼すること自体に問題はありません。ただし税務相談・税務書類の作成・税務代理は税理士法第2条の税理士業務であり、無資格の業者は行えません。「この支出は経費になるか」といった相談に応じてもらえない点は、あらかじめ理解しておく必要があります。

安さで選んで問題ないですか?

月額だけを見ると記帳のみの契約が安く見えますが、決算・申告を別途依頼すると総額が変わります。また記帳の段階で税務の判断が入っていないと、決算時に遡って修正が必要になることがあります。年間の総額と、誰が判断するかの両方で比べることをおすすめします。

自分でクラウド会計を使うのと、外注するのはどちらがよいですか?

取引件数が少なく、勘定科目の判断に迷いがないうちは、ツールを自分で使うほうが安く済みます。件数が増えて確認や判断に時間がかかるようになったとき、あるいは担当者の退職で業務が止まるリスクが出てきたときが、外注を検討する目安です。

いまの税理士から乗り換えられますか?

可能です。会計データの引き継ぎと、期中での切り替えの可否は状況によります。決算期の途中でも移行できる場合が多いため、まずは現在の契約内容と決算月をお知らせください。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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